訃報

4月2日(月) 快晴

昨日、友人が好きだった歌を歌った。
予感がした。

友人は3月5日に天に召されていた。
難病で、意識が明瞭なまま全身の麻痺が進み、言葉を出せなくなったとき、呼吸が出来なくなる日を予感していた。
発病して20年、ゆっくりと着実に麻痺が進み、転倒しやすくなり、真っ直ぐに歩けず、すれ違った若造に難癖をつけられて大怪我をしたり、酒場で荒れたり、預貯金を使い果たして死ぬのを待っていた。

心を病んで家庭を捨て、二人の子どもとは連絡も取れず、取らず、人生の悔いを受け入れることも出来ず、感情にまかせて当たり散らし、扱いにくい人だったが、優しく繊細で魅力的な頭脳を持つ教育者だった。

遺言書に従って葬儀は執り行わず、近親者数名による火葬のみの見送りだった。
その人柄の難しさは友人たちも兄弟たちも辟易していたが、死に顔の穏やかさに心安らかにお別れが出来たと綴られていた。

死亡時の連絡先にわたしの名前はなかった。
これで永遠にお別れを意味する会話があった。
だから、悲しまない。

一人旅の帰途に立ち寄った美術館で合流し、絵を見ただけで新幹線に乗った。
一緒に、絵を見ただけ。
そんな関係がすべてだった。
教育者でしかなく、わたしには心を開いてくれなかった。
一度も、開いてくれなかった。

「エトルタの荒れた海」
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