ワケギとエプロン

3月9日(金) 晴れ時々曇り 寒い

明け方5時前まで友人と電話をしていた。
相談事をしているうちに、ついつい世間話で盛り上がってしまった。

朝一番に千代美さんが来た。
桜の切り花といちご、生椎茸を持ってきた。
ご主人のデイサービス追加のことなど決めながら、お茶をする。
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わたしがケアマネさんに電話をしている間に、千代美さんは新聞を読んでいた。
「ちょっと、この新聞、全然読んでないじゃないの」
「うん、文字を読む気になれんのよ」
「花を包むのに新聞紙がほしいんよ」
「新聞紙もスーパーの袋もあげるよ」
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朝っぱらからお菓子を食べながら介護のつらい話を聞いた。
理解者として、自分の存在が役に立つ。
頑張った意味があったと感じる。
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「12日は12時に調査員が来るん、覚えとる?」
「12時じゃなくて2時じゃろ?」
「いや、12時よ、ちゃんとメモに書いて渡したろ?」
「カレンダーに写す時に間違えたんじゃろか?」
「危ないなぁ」
「ぼけた父さんといるとこっちまでおかしーなるよ」
「わかる、わかる」
「車のキーもうさして、スペア使いよる」
「それ、スペアキー作っときよ」

千代美さんは1時間少々で落ち着きなく帰って行った。
お菓子を2切れ、ご主人のお土産にした。
わたしのために桜を切ってくれて、有難いと思う。
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夕方、また千代美さんが来た。
ワケギを食べたいと言っていたのを覚えていて、まだ小さいワケギを届けてくれた。
畑の二重の柵を乗り越えてイノシシが入って踏み荒らしたそうだ。
猿は、ようやくふくらみかけたタマネギを引き抜いて、遊んだだけで捨てているのも腹が立つ。
小さくて泥んこのワケギはいい香りがした。
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娘から荷物が届いた。
誰かの役に立ててと、バッククロスのリバーシブルのエプロンが12枚入っている。
これだけ縫いまくる勢いはすごい。
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二人とも忘れたふりをしているけれど、
3月3日は、
娘の、
生まれてくるはずだった赤ちゃんの誕生日。
生まれていれば、もう、高校生になる。
住み慣れた町を遠く遠く離れて、
知り合いもいない黒磯の病院で、
つらい思いをして、
ショックで4ヶ月も出血が止まらず、
その後も思うようにならず、
夫婦仲も徐々に壊れていき、
ウサギに逃げ、
子連れの家族を見ると泣き、
孫の顔を見たがっている父さんに見せてあげられないと自分を責め、
40歳を過ぎてやっと諦め始めたところに、
わずか2歳しか違わない弟のお嫁さんが妊活を頑張り始め、
自分は、何のために生まれてきたのだろうと、
娘の気持ちを忘れたふりをしているけど、
わたしが片時も忘れるはずがない。

姪にも春のエプロンを縫っている。
お嫁さんは必ず着せて写真を送るだろう。
空港行きバスの時刻表も入っている。
新しい友人はできただろうか。
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本も入っている。
楽しく読み切って最後の解説を見て、解説者が高校の時の日本史の先生で、レポート未提出のまま卒業してしまった悪夢を思い出したそうだ。

娘の夫は、
信じられないような理不尽をいくつもいくつも抱えて生まれてきて、
時に自分の人生を呪って荒れ狂い、
同じく理不尽まみれで生まれてきた娘とウエブ上で知り合い、
通じ合うものがあったのか衝動的に結婚した。
皆に祝福された、
仏滅の結婚式で、
身長差が50センチもあって、
写真を撮るのが大変で、
結婚できそうにない友人たちのためにウエディングブーケを7つも投げ、
今度こそダメかという危機を何度も乗り越えて、
これからも乗り越えるだろうが、
二人とも頑張れと、
応援している。
心の中で。

この本は元気が出る。
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可愛いイラストのお茶も入っていた。
余裕のないわたしに、お茶と本。
心配をかけているのはわたしの方かもしれない。

何もかも忘れて読みふけってみようか。
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