世渡り上手

2月13日(火) 晴れ時々曇り たまに雨雪みぞれ

ピンポーンとチャイムが鳴った。
「はーい!」
「あ、僕ですー」
…僕?
こんな感じで新婚のクロネコさんが配達に来た。
「僕、一人っ子なんでー、両親が関西にいるんでー」
君が帰ってしまった彼女を追いかけて、親も仕事も捨ててはるばる海を渡ってきたのは知っているよ。
そんな恋がしてみたいとおばちゃんたちがときめいていたよ。
「ここは住みやすいし、○○町に住んでるんですけど便利なんですよ」
君は彼女のご両親に可愛がってもらってるね。
だから迷っているんだね。
「親は子供の幸せが何よりの幸せなんだから、時には二人で帰ってあげたらいいよ」
「はい、そうします!」
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クロネコさんと同郷のお嫁さん、今日は検査のため病院へ。
意地悪なドクターとは縁を切りたいからデータ全部もらって優しい病院へ変わるのだそうだ。
今日までに決断するように言われて出した結論が転院なわけね。
「戦ってきます!」
ほんとにバズーカでもぶっ放しそうな顔で出かけていった。
母もそうだったけど、真ん中の子はどこか勢いが違う。

子供は寝ている。
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起きて大泣きしたら容赦しないでしつけてあげよう。
君の人生のためなんだからね。
手ぐすね引いて待っているのに起きてこない。
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「寝てます」とLINEを送って2分後に起きてきた。
泣きながらガラス戸を開けたので、椅子に座ったまま両手を広げると飛び込んできた。
よしよしと抱き上げるとしがみついて泣き止んだ。
え?
散歩に行くかいと問うと、うんうんと頷いて笑顔を見せた。
え?
毛布にくるんで抱き上げると、ちょうど時計のメロディーが鳴り始めた。
大喜びで手足をバタバタさせている。
え?
大泣きしてくれないの?
先週は1時間半も泣き叫んだではないですか。

抱いて歌いながら家の周りを散歩した。
子供はずっとニコニコ笑っている。
近所の夫婦が畑の中で突っ立って見ている。
孫を構ってやらない私が抱いているのはそうとう珍しいのだろう。
畑の中であやしてもらい、カラスに遊んでもらいしているうちに1時間ほど経ち、お嫁さんが帰ってきた。
病院から長いLINEを送ったのに既読がつかないので、二人で泣き叫んでいるに違いないと焦っていたらしい。
ママに抱っこしてもらい、ニコッと私に笑いかけてきた。
参ったね、君は早々と世渡りのコツを身につけ始めたね。

お茶を飲みながら、長いLINEの内容を聞いた。
意地悪ドクター、今日は掌を返したように意地悪でなかったそうだ。
お嫁さんは貧血以外に異常なしのデータをもらい、これまでよと(本人曰く、椅子を蹴って)立ち上がったところ、よく考えて決めればいいとドクターのぼそっとした声。
「は?
先週は、年だから、5%だから諦めろとおっしゃったではありませんか!」
「だから、5%はゼロではないんですよ」
…お嫁ちゃん、教えてあげたいけど、普通の自然妊娠の確率も5%なんだよね。
みんなポンポン妊娠しているようだけど、5%。
君たち、要するにどこも悪くないから5%、ただ、年といわれればそうだけど。
「急に意地悪でなくなったんです」
「今日までに決めてと言われたら、諦める人はそもそも来ないでしょうが」
で、再来週火曜日にまた予約をしたそうだ。
バズーカの勢い、うまいことかわされちゃったね。
老獪ドクターに座布団1枚。

「卵管形成術という方法があって、30万円のところ限度額認定で10万円だそうです」
「保険が利くんだ」
「手術は30分だけど前後で6時間はかかると」
げ、6時間の子守り…
「いいよぉ、夫婦でよく相談して、私は子守りO.K.だしー」
「できるだけ自然妊娠で頑張ってみます!」
「あまり焦らないように、大丈夫大丈夫、健康でよかったね」
私は保健師かい…
でもまあ、明るい顔になって、よかったこと。

夜、子供が洗濯物を畳んでくれるようになったと動画が来た。
「おかあさんのおかげです」
ほほー、親子揃って世渡り上手だね。
「いいえー、幸せに上手に育てているからですよー」
可愛がられて育って親を信頼する子供は人生何があっても大丈夫、これが私の持論。
しかし…頑張りますって…今時の子は平気で言うんだねと赤面する姑もいたり。



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