大判焼き

1月14日(日)

向かいに住む幼なじみが大判焼きをくれた。
3歳年上の彼女は幼いころから意地悪で、大人になってからますます磨きがかかり、数多の女性たちの涙を餌に凄腕のいじめ屋に進化した。
あんなことされたの、こんなこと言いふらされたの、恨みの数々は彼女の勲章で、悪名はあまねく知れ渡っている。

ボケッとしている私は格好の標的だったが、夫の肩書きや子供の成績で後れを取った彼女は、私の個人的な人として言ってはいけないナーバスな秘密を悪口として暴露し、母を侮辱し私を貶め、私はこの歳になって初めて自分に注がれてきた視線に気がついた。
もう付き合わない、母の葬儀にも来て欲しくない、そう思ってもここに住んでいる限り、無理。

そんな気持を知ってか知らずか、いや、知らないからだろうが、渡りにくい国道を渡って温かい大判焼きを持ってきた。
私はこの2年の間に、突然夫を亡くし、納骨直前に足を折り、原因不明で長らく入院し、母を介護し、母を亡くした。
彼女は、可哀想に可哀想にと玄関先で繰り返した。
いやぁ、今更いい人されても、あんなことこんなこと、忘れたり出来ないって、無理無理。
あんたは、嫌い、大嫌いだよん。

でも、大判焼きは温かくて柔らかくて甘くて美味しかった。
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夫は亡くなる8時間前、この大判焼きを買ってきてくれた。
私が2個食べ、夫は1個食べた。
飲み会に「行ってくるよ」が、最後の言葉だった。
「天国に行ってくるよ」になってしまった。
ほんと、冗談はよしてほしい。
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ぼっち鍋でお口直し。
は、ふ。
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